子連れ旅 IN HAWAII    3回目  

憧れの 初日夜

 我々が宿泊した宿は、ハワイでラナイ(バルコニー)付きロッジとかコンドミニアムと言うタイプで、日本風に言うと家具付きアパートみたいなものです。ハワイ通の方などは良くご存じと思いますが、簡単に説明すると、生活するのに必要な最低限の家具やキッチン、食器、洗濯機、乾燥機、掃除機、コーヒーメーカー・・・最低限じゃないですね。とにかく、かなり、いや十分に普段の生活が出来るだけのものがそろっています。でも、初日から夕食をつくるのは、やはり面倒なので、とりあえず、夕食は外へ出かけることにしました。ただ、小さな子連れの場合、外に出た方が大変な場合も少なくないですよね。我が家もこの時、2人ともおむつをはき、下の子はベビーフードを主食としていた時期です。

 リフエ空港近くに中華レストランを見つけて入りました。海外へ出た時、中華レストランは助かりますね。どんな所にも中華レストランはあるし、中華はもちろん中国の料理でしょうが、我々日本人にとっては、既に日本食のように親しんでいますからね。しかもハズレが少ない。

 適当に注文し、下の子だけ先にベビーフードを食べさせます。そのうちオーダーしたものが運ばれて来たのですが、オーマイブッダ! 富士山のように盛ったご飯とチキンなどのおかず。味はお世辞にもおいしいと言えない。フジヤマご飯に至っては、星一徹がいたら、どんなに重いテーブルでもオリャ!ってぐあいにひっくり返したに違いないような味です。しかし、食べないわけにもいかないので、ブツブツ文句を言いながら食べていると、我々にとどめを刺すかのように、蚊が襲来。店内は薄暗くモワーとしてて、どうやらエアコンが無いのです。その為か足元が痒いのなあと思っていると、耳元で「ブーん」とイヤな音。「おい、ゆっくり食べてる暇ないぞ」と妻に言い、夜中お腹をすかせない程度に胃袋へ食べ物を押し込みました。我々とは違い、奥の方でアメリカ人家族がおいしそうに料理を食べている姿が不思議でしかたなかった。だって、あのテーブルにもフジヤマご飯がデン!ってあるんですよ。


 ふと気づくと息子がテーブルの下に隠れているじゃありませんか。妻と顔を見合わせ、あわてて撤収準備にはいります。息子はウンチをするとき、隠れる習性があるのです。特に食後は要注意なのです。案の定、足元からほのかに臭気が立ち上りだし、我々は逃げるようにしてそのレストランを後にしました。駐車場にもどり、息子のおむつをかえます。辺りは真っ暗で人影はないので、チョット怖い感じがします。でも、息子のおむつを代える間、周囲10mは誰も近づけないバリアが張られているので大丈夫!恐るべき悪臭!



 部屋にもどり、風呂に入ってゴソゴソしているともうすでに12時です。妻と子供たちはすでに熟睡。僕もあわてて仲間に入る準備をしました。この部屋は1ベッドルームという大きさで、寝室にダブルベッドがひとつと、リビングにはソファーベッド。このソファーベッドはもちろん昼間はソファーとして使用し、夜はダブルベッドに変身します。妻と娘がエアコンの効いた寝室を使用し、僕と息子はソファーベッドを利用します。リビングにはエアコンがありませんが、ラナイの窓4分の1がブラインドのように開く窓になっているので、そこを全開にすると海から涼しい風と波の音が入り込んできます。ふぅー、夏休みって感じですね。明日の朝はゆっくり寝坊することにしましょう。

                               つづく